お薬を極力使用しない
体に優しい治療を。
診療案内Medical
- すぐには内服を始めない。
- 複数のリスク(糖尿病、脂質異常症、喫煙、肥満、過度のストレス、脳動脈瘤、解離系の疾患、心臓弁膜症など)を持っている方を除きその方が本当に内服を必要としているか否かを検討し慎重に内服を開始します。
- 内服薬はできるだけ少なめに。
- 最近では多種多様なお薬が市場に出ております。これらをうまく組み合わせることによりできるだけ内服薬の錠数を減らし、家計にも優しい医療を心がけます。
脂質異常症
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血中のコレステロールやトリグリセリド(中性脂肪)が増加する状態を高脂血症といいます。高脂血症は動脈硬化の原因となりますが、血中のコレステロールには善玉といわれるHDLというリポ蛋白に運ばれているものがあります。このコレステロールは少ないほう(すなわち低HDLコレステロール血症)が動脈硬化を起こしやすいので、高脂血症という病名は2007年から低HDLコレステロール血症を含めた血中脂質の異常を、脂質異常症と変更されました。LDLは血管壁に取り込まれて蓄積し動脈硬化を起こすので、LDLコレステロールを悪玉コレステロールと呼びます。逆に、HDLは血管や組織に蓄積したコレステロールを引き抜いて運ぶリポ蛋白なので、HDLコレステロールを善玉コレステロールと呼んでいます。
当院では患者さんにより動脈硬化のリスクを判断し必要な方のみに内服を提案しております。総コレステロールが高いのみでは内服を勧めることはございません。
Dyslipidemia
心臓の病気
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- 狭心症Angina pectoris
- 狭心症は発作的に、胸の痛みや圧迫感などの症状を起こす病気です。心臓の冠動脈内腔が狭くなることにより、心筋に十分な血流・酸素が送り込めない時に胸の痛みが起こります。発作の起こり方、原因などにより分類されます。分類方法は多岐にわたりますが、一つの分類では、「労作性狭心症」か「安静狭心症」に分けられます。
- 労作性狭心症Effort angina
- 「階段をあがると胸が締め付けられるように痛くなる」「坂道を歩くと胸が苦しく痛くなる、静かにしていると楽になる」このような症状があるときには労作性狭心症を疑います。このような方はすぐに医師にご相談ください。
- 安静狭心症Rest angina
- 意外と放置されていたり、悩んでおられるかたが多い病態です。夜間就寝中に胸が圧迫されたり、朝方トイレに行くときなどに5分から10分程度胸を締め付ける症状があります。このような方も命にかかわる可能性があり治療が必要です。
- 心筋梗塞Myocardial infarction
- 冠動脈の動脈硬化が進行し、そこにできていたプラークが破綻して冠動脈を完全に閉塞してしまい、心筋に血液が完全に行かなくなり、心筋が壊死してしまった状態が心筋梗塞です。
「突然に胸が焼けるように重苦しく、押しつぶされるような、締め付けられるようになって、冷や汗が出る、吐き気があったりします。長くつづき、10分以上、ときには数時間も続く」というのは心筋梗塞の症状です。痛みは多くの場合、狭心症のときよりも激烈です。当院では急性心筋梗塞症の治療はできませんが、治療後の方のフォローを行っていきます。
そのフォローにより再度心筋梗塞を発症と心不全への移行を予防します。
- 心不全Heart failure
- 心不全というのは病名ではなく、様々な心臓の病気の結果、心臓のポンプの働きに障害が生じていろいろな症状を引き起こしている状態をいいます。虚血性心臓病や、不整脈などによって急激にポンプの働きが弱まり短期間に悪化する場合が急性心不全です。
一方、心筋症、高血圧や弁膜症などが原因で、長年にわたって心不全症状を認める場合を慢性心不全といいます。このような患者さんの内服薬をより効果的に調整することにより、元気に長生きしていただくことを目的に治療を行います。
- 不整脈Arrhythmia
- 心臓のリズムの乱れがある病態です。薬剤の催不整脈作用を考え、どうしても必要な場合に限って治療を行うようになり、軽症の不整脈は経過観察を行うのみでよいと考えています。しかし、近年不整脈分野におけるカテーテル治療は格段に進歩しておりこれらの適応となる疾患ではできるだけ治療を受けていただけるようにお勧めしております。